マウスピース洗浄不足で起こるリスク
放っておくと危険!洗浄不足がもたらすトラブルとは?
毎日の洗浄と丁寧な扱いが矯正治療成功のカギ
今回は、インビザラインなどのマウスピース矯正治療中の「洗浄」にまつわる重要なお話です。
インビザラインなどのマウスピース矯正をされている方にとって、洗浄は「毎日の当たり前」になっているかもしれません。しかし、忙しさでつい忘れてしまったり、軽く水洗いだけで済ませているという方はいませんか?
マウスピースは口の中に長時間入れるもの。きちんと清潔に保てていないと、口腔内トラブルや矯正治療そのものに悪影響を及ぼすこともあります。
今回は、「洗浄を怠ることで起こり得るリスク」と「それぞれの対策方法」について詳しく解説します。

マウスピース洗浄不足がもたらす5つのトラブル
口臭の原因になる
最もよくあるのが「口臭」の問題です。マウスピースには唾液や歯垢、食べかすなどが残りやすく、しっかり洗わないと細菌が繁殖して臭いの原因になります。
特に就寝中は唾液の分泌が減るため、細菌が繁殖しやすく、朝起きたときの不快な臭いにつながることもあります。
- 起床後・就寝前にしっかり洗浄
- 洗浄剤の使用で除菌・消臭効果を高める
虫歯や歯周病のリスクが高まる
不潔なマウスピースを長時間つけ続けると、歯の表面や歯茎で細菌が接触し続けて、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
矯正中に虫歯や歯周病が進行すれば、治療計画の変更が必要になることも。せっかく歯並びが整っても、矯正治療が健康な歯を失う原因となってしまっては、意味がありません。
- 食後は歯磨き+マウスピースの軽い水洗い
- 洗浄を忘れたときは必ずその後に丁寧なケアを
マウスピースが変色・劣化する
透明で目立たないのがマウスピース矯正の魅力ですが、洗浄を怠ると黄ばみやくもりが目立ち、見た目が不衛生になってしまいます。
- 着色汚れを防ぐため、コーヒー・紅茶の後はすぐ歯磨き
- 水洗いだけでなく、専用洗浄剤を活用
矯正効果の低下
洗浄不足で汚れが残っていると、マウスピースがしっかりフィットしなくなることがあります。
微妙なズレが歯の動きに影響し、計画どおりに矯正治療が進まなくなることもあります。
- チューイーで密着を確認する習慣をつける
- マウスピースに浮きやズレ、違和感を感じたら早めに相談
口内炎や歯茎の炎症
意外に見落としがちですが、マウスピースの汚れが原因で頬の内側や歯茎が荒れることがあります。
- 洗浄剤は無香料・低刺激のものを選ぶ
- 毎回手を洗ってから着脱することも大切
- 洗浄後はよくすすいで、マウスピースに洗浄剤の成分が残らないようにする
マウスピースの正しい洗浄方法
洗浄は「面倒だから水だけ」では不十分です。毎日のちょっとしたケアが、長期的には口の健康を守ります。
毎日の基本ケア
- 水かぬるま湯で軽くすすぐ
熱湯はマウスピースの変形の原因となるため禁止 - 柔らかい歯ブラシでやさしく磨く
- 専用洗浄剤で除菌・消臭(1日1回がおすすめ)
市販のマウスピース専用タブレットや洗浄液を使用
5〜10分浸け置き → 水ですすぐ → 乾燥 - 洗浄後はしっかりすすいで乾燥
NG行為
- 研磨剤入り歯磨き粉の使用 → マウスピース表面に細かい傷がつき細菌が繁殖しやすくなる
- 熱湯(煮沸)・電子レンジ消毒 → 変形のリスク
- 食器用洗剤やアルコールでの洗浄 → マウスピースの材質が劣化するリスク
洗ったあとの保管方法にも注意
マウスピースの清潔さは、洗浄だけでなく保管方法も大きく関わってきます。
また、使い終わった古いマウスピースもすぐに捨てず、予備として保管しておくと万一の紛失時に役立ちます。
正しい保管のポイント
- 専用ケースでの保管(ティッシュ包みはNG)
- 通気性のよい場所で乾燥状態をキープ
- 直射日光・高温を避ける(車内など要注意)
洗浄は「面倒な習慣」ではなく「大切なケア習慣」
矯正治療では、美しい歯並びを目指すだけでなく、健康的な口内環境を保つことも大切です。その効果を最大限に発揮するためにもマウスピースを正しく洗浄し、清潔な状態を保ちましょう。
「毎日は無理なくできる範囲で」「できる日は徹底的に」でも構いません。自分のペースで続けられる洗浄習慣を見つけましょう。「忙しくてつい忘れてしまう…」「どの洗浄剤がいいかわからない」など、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。
大木歯科・矯正歯科 四日市では快適な矯正ライフのサポートも大切にしています。

この記事の編集・責任者は歯科医師の笠井 啓次です。

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