インプラント治療ができない人

インプラント治療ができない人の対処法と5つの条件

インプラントができない!なぜ断られたか

近年では歯を失った方にとって、インプラント治療は主流の治療法方法となっています。入れ歯やブリッジとは異なり、自然な歯のように使用できるのが特徴です。
しかし、その分インプラント治療を行うには、いくつかの条件があります。過去にインプラント治療を希望したものの、断られた経験がある方もいらっしゃるかもしれません。

インプラント

インプラント治療ができる条件

実際にインプラント治療ができない人は、インプラント治療を行う前に以下の条件をクリアすることが求められます。

条件1 歯周病が進行していないか

インプラントも、「インプラント周囲炎」という歯周病になることがあります。もともと歯周病が進行している口腔内にインプラント治療を行うと成功率が低下し、脱落する可能性が高くなります。歯周病の進行が落ち着き、歯ぐきの状態が健康になるまでは、インプラント治療を優先しない場合があります。

条件2 持病について

心臓病、高血圧、糖尿病、肝機能障害、骨粗しょう症などの持病がある方は、傷口の感染リスクや予後不良、手術時の安全性の観点から、インプラント治療をお断りすることがあります。また、うつ病などの精神疾患で長期間抗精神薬を服用している方も、インプラント治療をお断りする場合があります。

条件3 骨の量が足りているか

長期間、歯が抜けたまま放置していたり、歯周病が重度で骨が吸収している場合、インプラントの人工歯根を埋めるための顎の骨の量が不足し、埋入が困難になることがあります。無理に埋入を行うと、骨と人工歯根が結合しなかったり、脱落する可能性が高くなります。

条件4 妊娠中でないか

妊娠中に歯科治療を受けることは可能ですが、妊娠に伴うホルモンの変化により、メンタルの不調や妊娠性歯肉炎のリスクが高まります。また、インプラント治療は通常の歯科治療よりもレントゲンの回数や麻酔の量、服薬の頻度が多くなるため、一般的には出産後に落ち着いてからインプラント治療を受けることが推奨されています。

条件5 タバコの量が多い

喫煙はインプラント治療にとって大きなリスク要因です。タバコは血管収縮作用により治癒力を低下させ、白血球の減少によって感染症のリスクを高めます。そのため、ヘビースモーカーの方にはインプラント治療をお断りする場合があります。
インプラントとタバコの関係について詳しく知りたい方は、こちらをご参照ください。
「タバコを吸っても大丈夫?インプラント治療中に禁煙は必要?」

インプラント治療ができない人の対処法

インプラント治療を諦めた方もいると思いますが、以下の対処法でインプラント治療が可能になる場合があります。できないと諦めていた方は、対処法を見てぜひ一度歯科医院で相談をしてみましょう。

対処法1 歯周病治療を徹底する

インプラント治療の前には、まず歯周病治療を行うことが重要です。歯周病治療は、再生療法などの外科的処置を除けば保険診療で対応可能です。歯周病の進行を抑制し、インプラントに対するリスクを軽減してから治療を進めることが大切です。

対処法2 かかりつけ医と連携する

持病をお持ちの方は、インプラント治療を希望している旨をかかりつけ医に伝えましょう。病状によって対応は異なりますが、かかりつけ医と歯科医師が連携することで、インプラント治療をうけられるように対応できることがあります。

対処法3 骨造成手術をする

骨の量が不足していてインプラント治療が困難な場合、骨造成手術を行うことができます。骨造成は、自家骨や人工骨を使用して不足した骨を再生させる治療方法です。この治療は、インプラント治療に追加して行うことができます。骨造成について詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。
インプラントの骨造成とは?骨が足りない方も治療が可能に!

対処法4 妊娠はすぐに報告する

妊娠の可能性がある・予定している方は、治療計画の段階で歯科医師にその旨を伝えましょう。また、妊娠が判明した場合は、早急に報告し、治療中であれば今後の治療方針について話し合うことが重要です。妊娠中は口腔環境が悪化しやすいため、治療を中断している間も、再開時に備えてケアを怠らないようにしましょう。

対処法5 禁煙外来を受診する

日本歯周病学会の報告によると、インプラント埋入後の生存率に関して、全体の失敗率は2%であるのに対し、喫煙者の失敗率は4%と、喫煙者の失敗率が2倍になることが示されています。これにより、インプラントの成功率にも大きく影響を及ぼすことがわかります。禁煙外来等を活用して、インプラント治療をきっかけに全身の健康につなげましょう。

詳しくはコチラ

まずは歯科医師の意見を聞きましょう

インプラント治療は、すべての人に適しているわけではありません。インプラント治療が可能か知るためには、インプラント専門の歯科医師に相談することが最善です。そして、インプラント治療が難しい場合でも、対処法を講じることで治療の可能性を広げることができます。
大木歯科医院四日市院でも、大規模医院でしかできない、インプラントの知識・技術をいかした「チーム医療」をご提供に努めています。第一歩として、ぜひインプラントのご相談をお待ちしています。

この記事の編集・責任者は歯科医師の笠井 啓次です。